日本のサブカル史 オタクとは

オタクとは何か?

いや単純に、中森明夫さんが提唱した通り、気持ち悪いマニアでしょ。

この話題で面白いのは、オタクと言う言葉が広まってすぐに自認する連中が出たこと。

さらに、自分でわざわざ「気持ち悪いマニアの蔑称」を自認しながら、
「気持ち悪いとは何事か?」
と怒る人が居ることでしょうね。

でも、そう言う人に
「じゃあオタクの定義って何?」
と聞くと
「それ、ただのマニアでしょ?」
って言う戯言しか返って来ません。

何かと理由(金遣いが荒いとか)をつけて、オタクはマニアよりスゴいことにしたいんだけど、付け足した文言は何れも「マニアの定義」に収まります。

逆に「気持ち悪い」って言うのが嫌なら「マニア」を名乗れば?と思います。
(まあ、自分では気持ち悪くないつもりでも、判断するのは周囲の人なのですが。)

要するに自分をマニアよりハイレベルな人間と規定したいだけなんだろうけど。

何で彼らはよくよく中森明夫さんが提唱したオタクの意味を調べずに自認してしまったのか?

経過は判ってまして。

まず、中森明夫さんがオタクと言う呼び方を提唱したのは、児童ポルノ漫画雑誌でした。

まあ、1980年代はロリコンブームがありまして。
自衛隊が女子中学生のヌード写真集の撮影に協力して戦車を使わせる
・「笑っていいとも増刊号」に女子中学生がヌードに成る映画の宣伝がされる
ような時代でしたから、児童ポルノの出版物に対する風当たりはほぼ無風でした。


とは言え、やはり読者は少ないし、「中森明夫と言うライターがこんな面白いこと書いてる」と友だちには教えにくいですよね。

で、広まるのは他の雑誌のライターさんがオタクを紹介し始めた頃となります。

ところが、他の雑誌のライターさんも、あまり「気持ち悪い」と攻撃的なことは書けないんです。

だって、自分が連載してる雑誌にもオタクの読者が居るかも知れないですよね。
(実際に中森明夫さんの連載は打ち切られてますし。)

そのため、話し相手を「お宅」と呼ぶ変な人のイラストとか見ても、勘の良い人、もしくはオタクを実際に見て気持ち悪いと感じた人じゃなきゃ「気持ち悪い奴ら」と理解出来なかった訳です。
(ちなみに昭和50年代でも、話し相手を「お宅」なんて言うのは、ドラマのいけすかない登場人物くらいです。 当時、口語として「お宅」なんて呼び方が普及していたなんてことはありません。)

私も最初はスゴいマニアの人で。
話し方が独特なんだな?くらいに思ってましたが。

だんだんと判って来ました。

ところが、多分、このだんだんと判るよりも先に自認しちゃったんでしょうね。

で、引っ込みがつかなくなったのかな?